子育てと仕事、介護士として、親として見る日南町
ご夫婦ともに県内から移住され、同じ介護士として働いておられる原夫妻。
お二人の可愛いお子さんと暮らすご自宅で、日南での仕事と子育てについて伺いました。
(境港市・江府町から移住)原 智史 さん・幸香 さん
知らない町に就職先を求めて
—日南町にはどのように移住されましたか?
智史 僕は境港市出身なんですが、もともと日南町のことは全く知らなかったんです。
高校を卒業して、介護の仕事に就こうと思い就職先を探していて。
新しい介護施設ができた時に職員の募集があったので、
日南町がどういう町かもよくわからないまま飛び込んできました。
幸香 私は同じ日野郡の江府町出身なので日南町のことは知っていて、
専門学校を卒業してすぐ就職で移住しました。
仕事柄、地元のよく知った方を相手に働くというのは少し抵抗もあったし、
都会より田舎の方が馴染めそうだと思って。
就活中にボランティアで訪れた日南福祉会の印象がよかったのでここに決めました。
—日南での介護職の現状について教えてください。
智史 とにかく、介護士の数が全体的に足りていないというのがあります。
私が入ったときは若い人も多かったんですが、どんどん少なくなってしまいました。
幸香 若い人が来てくれても、根付かずに辞めてしまうんです。入れ替わりが激しい。
—やはり大変なお仕事ですよね。
智史 介護の仕事は確かに大変です。まず利用者さんに心を開いてもらえるか、
というところが難しい。若い頃は特に戸惑いがありました。
幸香 利用者さんは人生の大先輩ばかりなので、
年配の方に20代・30代の若者が関わるという面での大変さはあります。
その人の人生を形作ってきた仕事や趣味、戦争体験のことや、
移住してすぐは地元の方言や土地についてもわからないことが多くて困りましたね。
その都度教えてもらいながら理解してきました。
また、利用者さんにも色々な方がいるので、ひとりひとりに合った対応も必要になります。
智史 加えて日南町は雪が多い。
車での送迎などもしますが、利用者さんの命を預かっているので雪道の運転は常に気が抜けません。
—介護のお仕事の魅力や職場の雰囲気についてはどうでしょう?
幸香 ある程度年数を重ねていくと町のことやその方自身のことがだんだんとわかってくるので、
利用者さんとたくさん会話ができるようになってやりがいがあります。
仕事は本当にハードで、慣れるまではすごく大変で心が折れかけたこともありましたが、
お母さん世代の先輩方が色々とフォローしてくださったので頑張ることができました。
慣れないころはたくさん叱られもしましたが、
今になってみれば言ってもらえたことのありがたみを実感していますね。
上の世代の方のおかげで今があります。
日南で子どもを育てるということ
智史 職場と学校がとても近いので、
何かあるとすぐ行けるというのがありがたいですね。
困ることというか、公園など遊ぶ場所が少ないのでもっとあるといいなとは思います。
幸香 やっぱり保育料無料というのがすごくありがたいです。
町がすごくサポートしてくれているなと感じますね。
出産の時にはお祝い金をいただけたり、とても助かっています。
また、事業所内保育が利用できたのも良かったです。困るのはやっぱり病院。
出産も米子でしたし、小児科医が常勤していないので、
休診日や夜間に急な発熱などがあると米子まで出ないといけません。
ちょっとしたことを相談できる医療機関があると嬉しいなと思います。
未来の仲間へメッセージ
幸香 都会から来られると、正直すごく不便なこともあると思います。
でも町のみなさんが何かと気にかけてくださるのが田舎ならではの良いところ。
覚悟はいると思いますが、人とのつながりで助けられている部分が大きいです。
智史 日南町での介護職に対する期待値は高く、
自分たちが必要とされているのを日々実感しています。
高齢化も進んでいるので、ますます若者が中心になって頑張っていかないといけない。
若い方が増えてくれると嬉しいです。
社会福祉法人 日南福祉会
〒689-5665 鳥取県日野郡日南町下石見2315番地
法人事務局 介護福祉センターあかねの郷内
WEBサイト https://www.n-akane.jp